Open Economies Reviewという国際経済学の雑誌に出ることになっている論文を紹介します。
Profit enhancing parallel imports (with Toshihiro Matsumura)
この論文は、ある大学に着任した年に考えて、最初に投稿したのは2002年7月8日でした。その後、投稿戦略を間違えたため、こんなに時間がかかってしまいました。戦略の間違いというよりは、単に、某雑誌に投稿したら2年以上待たされただけなんですが(これが2度起きた)。こういう悲惨な事が起こらないように、もう少し考えて投稿先を選ぼうと思いました。
標準的な発想をすると、価格差別を自由に行える方が企業の利益は増えると思います。例えば、市場が2つ存在する時に、各市場で同じ価格を設定しなくてはいけない、という制約があるよりも、各市場で異なる価格を付けてもよいという状況の方が利益が大きいと予想されます。
この価格付けの自由を制限してしまうものの1つに、並行輸入と呼ばれるものがあります。ある国へ輸出した製品を仲介業者のような第3者が買い取って、それを輸出元の国で販売するものです。この様な行動をする理由は、このある国と輸出元の国の価格を比較した時に、輸出元の国で高い価格が付いているからです。輸出元が先進国で、ある国が途上国の場合、この様な事は起こりえますし、実際に、しばしば、ここで述べた仲介業者が行っていることは観察されます(製薬では非常に問題になっていて、製造原価を考えると途上国で安く売るとが可能であるにもかかわらず、この仲介業の活動が起こるため、製薬会社が途上国での販売を止めてしまい、途上国の人たちが必要とする薬剤が届かないという問題が起こっています)。
ここで問題にしていることは、このような仲介業の活動が、本当に企業利潤を損なうのか否かという点です。実際に、幾つかの研究で、このような活動が元々の製造会社を助ける可能性を指摘しています。
この論文では、途上国市場での競争という観点を導入して分析をしています。その結果、仲介業の活動が製品単価に比べて高い場合には、この様な活動が製造会社を助けることが示されました。この結果は、DVDの価格とRegion Codeの関係と関連があるかもしれません(低価格の製品では、Region Code を取り入れずに仲介業の動きを許容するけど、高価格品では、その活動に制限を与えるためにRegion Code を取り入れている)。
Profit enhancing parallel imports (with Toshihiro Matsumura)
この論文は、ある大学に着任した年に考えて、最初に投稿したのは2002年7月8日でした。その後、投稿戦略を間違えたため、こんなに時間がかかってしまいました。戦略の間違いというよりは、単に、某雑誌に投稿したら2年以上待たされただけなんですが(これが2度起きた)。こういう悲惨な事が起こらないように、もう少し考えて投稿先を選ぼうと思いました。
標準的な発想をすると、価格差別を自由に行える方が企業の利益は増えると思います。例えば、市場が2つ存在する時に、各市場で同じ価格を設定しなくてはいけない、という制約があるよりも、各市場で異なる価格を付けてもよいという状況の方が利益が大きいと予想されます。
この価格付けの自由を制限してしまうものの1つに、並行輸入と呼ばれるものがあります。ある国へ輸出した製品を仲介業者のような第3者が買い取って、それを輸出元の国で販売するものです。この様な行動をする理由は、このある国と輸出元の国の価格を比較した時に、輸出元の国で高い価格が付いているからです。輸出元が先進国で、ある国が途上国の場合、この様な事は起こりえますし、実際に、しばしば、ここで述べた仲介業者が行っていることは観察されます(製薬では非常に問題になっていて、製造原価を考えると途上国で安く売るとが可能であるにもかかわらず、この仲介業の活動が起こるため、製薬会社が途上国での販売を止めてしまい、途上国の人たちが必要とする薬剤が届かないという問題が起こっています)。
ここで問題にしていることは、このような仲介業の活動が、本当に企業利潤を損なうのか否かという点です。実際に、幾つかの研究で、このような活動が元々の製造会社を助ける可能性を指摘しています。
この論文では、途上国市場での競争という観点を導入して分析をしています。その結果、仲介業の活動が製品単価に比べて高い場合には、この様な活動が製造会社を助けることが示されました。この結果は、DVDの価格とRegion Codeの関係と関連があるかもしれません(低価格の製品では、Region Code を取り入れずに仲介業の動きを許容するけど、高価格品では、その活動に制限を与えるためにRegion Code を取り入れている)。
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